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第26回 (院長〜2010.9掲載)

ドクハラとセクハラ

最近は、医療に関する番組も多く、タイトルが過激なものも少なくありません。医師による患者への暴言を
ドクターハラスメント(ドクハラ)と言います。
いつ、誰が言い出したのかはわかりませんが、その逆
(患者から医師への嫌がらせ)は、あまり話題にはなりません。視聴率が上がらないからでしょう。

それでも最近、やっとモンスターペアレントからの転用で、モンスターペイシェント(患者)の話題が少し
は出ますが、それも医療専門誌などで話題になるぐらいです。医療崩壊の1つに数えられます。医療者は、
純粋に医療的な多忙には文句が少ないのですが、医療以外の多忙、特に理不尽な苦情を聞かされるとどっと
疲労感に襲われます。どの医師も少なからず被害に会っています。最近、私も診察料金や薬の処方期間で、
1時間近く苦情を言う患者に付き合わされたことがあります。診察料金や薬の処方期間は、厚生省で規定され
ており、医師側ではどうにもならないと説明しても、お前たち医師は、厚生省と組んで、患者から暴利を得て
いるとずっとわめいていました。自分の不平不満をただ、文句を言えない弱者に言って、うさん晴らしをして
いるのです。また女医は、セクハラも受けます。性的なセクハラは、無視することでなんとでもなりますが、
女性という性に対する差別は、どうにもなりません。特に、入院患者を受け持つ際、家族がいやな顔をし
ても耐えられますが、患者本人から女医はいやだとはっきり拒絶される場合、かなり傷つきます。今みたい
にりっぱなオバタリアンの私ならば、笑えるのですが、若かりし頃は、心に余裕もなく、患者と泥試合をして
しまいます。明治、大正生まれの男性にこの傾向は強かったです。今は、もう明治生まれの患者と接すること
もなくなりましたが。現在では、あんなに短気な私が、こんなに我慢できるようになっていると自画自賛し、
診療にあたっています。年月は、人を丸く(体型ではなく)します


第25回 (院長〜2010.5掲載)

★驚異の記憶力:S教授


最近は、毎週のようにスーパードクターのテレビ放送があります。また、医療ドラマも多く、ありえない
ほどできる医師がいます。今はやりのスーパードクターは専門医師ですが、ドラマではオールマイティ
ーです。こんな医者はいないとふと思ったとき、思い出しました。S教授。大学の教授で、私にとって、こん
な人間も存在するのだと知った初めての人です。研修医時代、初めて担当した胃癌の患者がいました。骨転移
をしており、全身の痛みを訴えていました。大学では、教授回診前日、教授連前に、受持ち患者の報告会があ
ります。私が教授連前でその患者の報告をしたとき、S教授は、骨転移の最新治療について○○雑誌のペー
ジに文献が載っているから、調べてみなさいと言いました。雑誌名は兎も角、ページまで。教授回診当日も、
昨日と同じ話を患者の前で話すと「その内容は、昨日聞いた。」と言われてしまいます。100人近くの患者
のデータを記憶しているのです。ですから、S教授の教授回診は、他の教授回診と明らかに病棟医の緊張感が
違います。鳥肌が立ったことには、1年前の入院患者の職業まで、記憶していたのです。患者はS教授の外来
に通院していませんし、教授回診で会っただけです。それも、非常に普通の病気の患者でした。S教授が
患者に『職業は変えたのですか。』と聞いたのです。患者は「はい、変えました。」と答えました。
患者の担当医は意味がわからず、S教授が去ったあと、患者に尋ねました。
『今のは、何の質問なの?』すると患者は、「1年前に、S教授から僕の肉体労働は、この病気が再発し
やすいから、職業を変えた方がいいといわれた。」と答えました。今の担当医は1年前と違うので、
知らなかったのです。おそるべし、S教授


第24回 (院長〜2010.3掲載)


★私は小姑

姉が両親の介護援助で、実家に里帰りしています。いままでは、私が全てのスケジュールや物の購入を管理
していたので、ついつい口を出してしまいます。姉が言うには、私は全くうるさい小姑なのだそうです。
姉曰く、きっと回りの人は言わないけれど、看護婦さんや事務さん、患者さんにも迷惑をかけていると言うの
です。ですから、姉がクリニックに来ると、看護婦さんや事務さんに、「妹がうるさくて、すみませんね。」
と良く言います。とにかく、細かくてうるさいそうです。思い当たることがありました。以前、大病院に通院
している糖尿病の患者が、近所の医院に変わりたいと受診してきました。糖尿病のコントロールを見る上で、
血糖値測定はとても重要です。特に、空腹時と食後2時間後の血糖値の両方がコントロールされていることが
重要です。しかし、大病院の外来では食後2時間後の血糖値の測定ができません。なぜなら、組織が大きすぎ
る為、採血1つでも、順番があり、食後2時間後にきっちり採血することがむずかしいからです。
しかし、当院では小さいので、食後2時間後の血糖値の採血が時間通りに可能です。食後2時間後の血糖値の
コントロールの方が、より良い糖尿病のコンロトールの指針となります。ですから、当院では、採血の時間が
うるさくなります。食事も具体的に何を、どこで食べたかを聞きます。患者にも、食後2時間後の血糖値の方
が重要ですと説明していますが、その患者は、大病院では食後2時間後の血糖値など一度も言われたことがな
い、あんたはうるさい、こまかい、お宅の方針はおかしいと言って、その後当院に通院しなくなりました。
患者さん曰く、うるさい先生なのだそうです。しかし、実際に良くなってくると、患者さんの方から次回の
採血は、2時間後などと言ってくれます。そこまで理解している患者さんの多くは、とても良い糖尿病のコン
ロトールとなっています。なにか報われた感じがして、とてもうれしくなる瞬間です。
ですから、私はだれに何と言われようと、うるさい小姑のままでいます。

 

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