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■第32回　（院長～2013.3掲載）

★「病気でない、体の構造」 時々、病気でなく、体の異変に気づき病院を受診する方がいます。いままで一番ユニークなのは、胸骨の剣状突起です。 左右の肋骨をつなげている骨を胸骨と言います。その胸骨のお腹側の尖端が、剣の様に尖っています。これを剣状突起と言います。 この剣状突起がやや目立つ人もいます。痩せている人に多いです。触るとコリコリと触れるので、心配になる方がいます。 次の多いのは、舌の奥にある乳頭です。舌の大部分は、糸状乳頭と言って私たちがいつも見ているデコボコした赤い舌です。 しかし、その奥に５㎜前後の２重丸した突起があります。これが有郭乳頭です。この有郭乳頭が逆V字形に並んでいます。 何かのどを見たとき、この有郭乳頭をできものとして認識され、変なできものが舌にあると受診します。最近では、どこかのテレビ番組で、 悪性黒色腫の特集がありました。ほくろの癌ですが、爪にもできます。テレビ番組で、爪に黒いものがあると黒色腫と放送したようです。 その１－２週は、爪に黒いものがあると、内科にまで患者が来ました。 （皮膚科がいっぱいだから、とりあえず内科に来たと患者さんは言っていました）内科医の私が見ても、悪性黒色腫でなく、 良性のものでした。首のリンパ節も触れるとわかるものがあり、癌でないかと不安になり、受診者は多いです。 毎日、医療番組があり、少しの異常も自分に当てはめてしまう方が多いです。教育番組の医療番組でなく、バラエティー番組は、 やや面白おかしく内容が構成されています。テレビ番組で過激なタイトルの場合、私も時々チラミします。 翌日にテレビで見た内容の相談があるからで、女性に多いです。 教育番組の医療番組に出演されている先生は、内科学会等で、講演されていることが多いですが、バラエティー番組に出演されている 医師が内科学会で講演している姿は見たことがありません。 私が知っている有名医師と世間の有名医師には、ギャップがあるようです。 とりあえず、わからないことは近所の内科で十分ですから、一人で不安にならず気軽に相談してください。

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